「理論」と「感性」

最近、某山岳会の仲間から、デジカメの選び方について、
ちょっと真剣に意見を求められることが何度かありました。

そのことを思い出したのと、旧myBBSの方でワタクシが
レスしたことも踏まえて、改めてここでも話題にしたいと思います。


写真に限らず、ゲージュツにとって「理論」「感性」どっちが大事?
・・・そう書いてしまうと、「感性」に決まってるじゃないか!となるでしょう

でもちょっと待って!、そんなにカンタンなハナシじゃない。

道具についての知識や、使い方の習得も、「理論」の範疇だと思います。
ということは、必要な道具を使いこなす「理論」がある程度伴ってなければ、
「感性」なんてあるかどうかそもそも判断出来ない
ってことになります。

だから、良い道具を持つことがある程度必要であり、
その構造や機能についての知識や、使いこなすための技術も大事。


だからといって、いきなり高価な機材を買うというのも、
結局は宝の持ち腐れになることも、良くあるハナシ・・・

なので、例えばGR DIGITALは、写真の心得のある人にとっては
非常に良い道具だと思うし、自信を持って勧められるけれども、
逆に言えば、使うヒトを選ぶ、そういう道具でもあるから、
ワタクシが使っていてGRに興味を示している人であっても、
その人の求める写真のレベルをある程度把握した上で、
勧めるかどうかを決めています。

デジタル一眼についても、GRと同じような値段(逆の言い方の方が正しい?)
のものがいくつもあり、ごく一般的なカメラユーザーでも、
かなり気軽に買おうと思える時代になっているけれども、
これとて、コンパクトデジカメには追いつけないポテンシャルを
引き出すにはそれなりの「理論」が必要であり、やはり、
使うヒトを選ぶ道具であることはGRと同じだと、そう思います。

だから、安易に高価でポテンシャルの高い機材を勧めることはしません。
写真という趣味にとって何よりも大切なのは、写真を撮ることであって、
良い機材を持つことではないからです
・・・あれ?逆説になってきてる(^_^;)


そのバランスを取るのが難しいのですが、要するに、撮りたいと思う写真を
撮ることが出来るポテンシャルがあり、かつ、ムリせずに手に届く範囲の
価格のもの、それが勧められる機材
、ということになります。


そして、ワタクシが最後に必ず付け加えるアドバイス、それは、
「自分が好きだと思えるデザインのものにしなさい」
何故なら、自分が気に入った道具ならば多少の欠点には目をつぶって
愛着を持って使うことが出来るからです。そう、使うことこそ一番大事!

レンズや撮像素子の性能、撮影機能や大きさ重さといった「理論」を
まず熟慮して取捨選択し、その上で残ったいくつかのデジカメの中から、
「感性」で選ぶ、それが王道、かな? これとてなかなか難しいけどね。

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